写真撮影テクニック
ヨットレースに選手として出るよりも、船上カメラマンとして写真撮影していたほうが
面白い・・・
などと最近は感じていますが、バルクヘッドマガジン・ヨット部部長の平井さんが
フェイスブックで「ヨットレースに限定した撮影方法」を公開しています。
そんな有難いお話を公開していたことを知らなかった私が今回のレーザー全日本の写真
撮影で行った設定と比較してみましょう。
ヨットレースの写真撮影の極意は6項目あるそうです。
1.シャッタースピードは1/ 1200秒以上に。
撮影ボートの上は大変に揺れるために、シャッター速度の遅さは「ブレ」の原因と
なります。
そのために、モードはシャッタースピード優先、シャッタースピードは1/ 1200秒以上
に設定。
急に曇ってきたりして、絞りが小さく(被写界深度が浅く)なる場合は、ISO感度を
あげてバランスをとる。
これは瞬間、瞬間の光の具合によるので、「こうしなさい」というマニュアルはありま
せん。
撮影前に何度かテストして、さらに露出補正をかけたりして決めています。
私の設定は、絞り優先で、値はF6.3。
これくらいの値に設定しておくと、天候にもよりますがシャッター速度は1/1000秒以上で
撮影されます。
使用しているレンズの開放値がF4.5-5.6なので、妥当な値と思われます。
但し、15時過ぎ以降は1/1000秒以下のシャツター速度での撮影が多くなりました。
ISO感度は最初から400固定、露出補正も初日は無しですが、2日目以降は+1/3固定。

2.レンズは300-500mmがいいかも。
これは、レンズの性能というよりも、どのレンズを使ったほうが撮影しやすいか、になり
ます。
自身の経験からすると、いま世界でヨットレースを撮影するカメラマンは、300-500mmの
レンズを使うことが多いように思いす。
私が使用しているレンズは100-400mmズーム
海上ではこのズーム1本でほぼ不便はありません。陸上用に28-70mm程度を1本用意して
おけば完璧か?

3.基本は順光。太陽と被写体の間に撮影ボートを置く
ヨットをカンタンに、いちばんキレイに撮るのは順光、もしくは斜光で撮影することです。
ヨットレース中は、陸上のようにストロボやレフ板を使えないので、カメラマンは常に太陽の
位置を気にしています。
こればかりは、今回は運営艇に乗せてもらって写真撮影しているので、撮影ボートの位置に関して
は選択の余地がありません。
幸いに逆光となる位置での撮影はありませんでした。

4.水平線は平行。海と空の割合を3:7に。
いい加減にシャッターを押すと水平線が斜めになってしまい、安定感がなく、落ちつきのない
写真になってしまいます。画面内の水平線はなるべく真っ直ぐにしましょう。
また、画面のなかで、海が3割、空を7割程度にすると安定感のある写真になります。
広角レンズを使ったり、風景やヨットの全体像を撮影する時は、この法則が当てはまります
が、選手のアップを撮影する時は当てはまりません。
私が撮影した写真を見ると「水平線右下がり」が実に多い。
これは一種のクセみたいなものですが、意識しない限りは直すのが困難。
今回は、レタッチソフトで水平調整してから写真公開していました。
この作業が「時間はかかるし、写真の一部がカットされる」で大変なので、水平線平行を意識して
撮影できるように練習あるのみ。
海と空の割合を3:7も意識して撮影していたら、自然と身につくテクニックです。
これも練習あるのみ。

5.連写のメリット、デメリット。
わたくし部長は、連写撮影がほとんどです。望遠レンズを使っていても選手の表情まで分から
ないし、波しぶきのカタチとか、選手のシートの引き具合とか、スピネーカーのベストの形状
とか、そういったものが複雑に絡んでくるので、同じアングルのカットを5-8枚ぐらい撮って、
それを並べていちばんいいものを選ぶという方法を取っています。
メリット(?)は「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」。デメリットは撮影枚数が倍増すること。
撮影後の仕事量が5-8に増えて睡眠時間が削られます。
ほとんどのカメラマンは海上撮影は連写でしょう。
スポーツ写真=連写撮影ですから。
撮影後の仕事量が増えるのも致し方ないところ。
「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」ならいいのですが、数打っても一枚も当たっていないことが
多いのが現在の私の悩みです。

6.風の動き、選手のアクションを読む。
ヨットレース撮影の最重要ポイントは、マーク回航シーンです。カメラマンは、マークに向か
ってくる選手を待ち構えて撮影します。ここで選手がどんなアクションするのか予想しなくて
はなりません。
ブローラインはどこにあるのか、選手がどこでタックするのか、ライバル艇にどんな戦術を
使う可能性があるのか、バウマンがアクションに入るタイミング、ジャイビングポイント、
ジェネカーダウンのタイミングなど艇種の特長を知り、そこに選手の技術レベルを加えてアク
ション予想します。
これができれば、写真撮影の半分は成功したと言ってもいいかも知れません。
カメラマンは「こんな場面」と頭の中で画を描いて撮影します。
偶然にシャッターを切ったら良い場面だったなんてことは、そんなにはありません。
マーク回航のたった一枚も、シャッターを切る遥か前から選手の動きを追い、このポイントでと
いうところでシャツターを押すという作業です。
ある意味で船上カメラマンは「選手と一緒にレースしている」と言えるのかも知れません。

「ヨットレースに限定した撮影方法」の書き込みを、津全日本の前に発見していたら、もう少しは
素敵な写真が撮影できたかも知れないと思っています。
カメラは奥が深くて、知れば知るほど大変です。
修行の日々が続きます。
バルクヘッドマガジン・ヨット部は
https://www.facebook.com/bulkheadclub
面白い・・・
などと最近は感じていますが、バルクヘッドマガジン・ヨット部部長の平井さんが
フェイスブックで「ヨットレースに限定した撮影方法」を公開しています。
そんな有難いお話を公開していたことを知らなかった私が今回のレーザー全日本の写真
撮影で行った設定と比較してみましょう。
ヨットレースの写真撮影の極意は6項目あるそうです。
1.シャッタースピードは1/ 1200秒以上に。
撮影ボートの上は大変に揺れるために、シャッター速度の遅さは「ブレ」の原因と
なります。
そのために、モードはシャッタースピード優先、シャッタースピードは1/ 1200秒以上
に設定。
急に曇ってきたりして、絞りが小さく(被写界深度が浅く)なる場合は、ISO感度を
あげてバランスをとる。
これは瞬間、瞬間の光の具合によるので、「こうしなさい」というマニュアルはありま
せん。
撮影前に何度かテストして、さらに露出補正をかけたりして決めています。
私の設定は、絞り優先で、値はF6.3。
これくらいの値に設定しておくと、天候にもよりますがシャッター速度は1/1000秒以上で
撮影されます。
使用しているレンズの開放値がF4.5-5.6なので、妥当な値と思われます。
但し、15時過ぎ以降は1/1000秒以下のシャツター速度での撮影が多くなりました。
ISO感度は最初から400固定、露出補正も初日は無しですが、2日目以降は+1/3固定。

2.レンズは300-500mmがいいかも。
これは、レンズの性能というよりも、どのレンズを使ったほうが撮影しやすいか、になり
ます。
自身の経験からすると、いま世界でヨットレースを撮影するカメラマンは、300-500mmの
レンズを使うことが多いように思いす。
私が使用しているレンズは100-400mmズーム
海上ではこのズーム1本でほぼ不便はありません。陸上用に28-70mm程度を1本用意して
おけば完璧か?

3.基本は順光。太陽と被写体の間に撮影ボートを置く
ヨットをカンタンに、いちばんキレイに撮るのは順光、もしくは斜光で撮影することです。
ヨットレース中は、陸上のようにストロボやレフ板を使えないので、カメラマンは常に太陽の
位置を気にしています。
こればかりは、今回は運営艇に乗せてもらって写真撮影しているので、撮影ボートの位置に関して
は選択の余地がありません。
幸いに逆光となる位置での撮影はありませんでした。

4.水平線は平行。海と空の割合を3:7に。
いい加減にシャッターを押すと水平線が斜めになってしまい、安定感がなく、落ちつきのない
写真になってしまいます。画面内の水平線はなるべく真っ直ぐにしましょう。
また、画面のなかで、海が3割、空を7割程度にすると安定感のある写真になります。
広角レンズを使ったり、風景やヨットの全体像を撮影する時は、この法則が当てはまります
が、選手のアップを撮影する時は当てはまりません。
私が撮影した写真を見ると「水平線右下がり」が実に多い。
これは一種のクセみたいなものですが、意識しない限りは直すのが困難。
今回は、レタッチソフトで水平調整してから写真公開していました。
この作業が「時間はかかるし、写真の一部がカットされる」で大変なので、水平線平行を意識して
撮影できるように練習あるのみ。
海と空の割合を3:7も意識して撮影していたら、自然と身につくテクニックです。
これも練習あるのみ。

5.連写のメリット、デメリット。
わたくし部長は、連写撮影がほとんどです。望遠レンズを使っていても選手の表情まで分から
ないし、波しぶきのカタチとか、選手のシートの引き具合とか、スピネーカーのベストの形状
とか、そういったものが複雑に絡んでくるので、同じアングルのカットを5-8枚ぐらい撮って、
それを並べていちばんいいものを選ぶという方法を取っています。
メリット(?)は「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」。デメリットは撮影枚数が倍増すること。
撮影後の仕事量が5-8に増えて睡眠時間が削られます。
ほとんどのカメラマンは海上撮影は連写でしょう。
スポーツ写真=連写撮影ですから。
撮影後の仕事量が増えるのも致し方ないところ。
「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」ならいいのですが、数打っても一枚も当たっていないことが
多いのが現在の私の悩みです。

6.風の動き、選手のアクションを読む。
ヨットレース撮影の最重要ポイントは、マーク回航シーンです。カメラマンは、マークに向か
ってくる選手を待ち構えて撮影します。ここで選手がどんなアクションするのか予想しなくて
はなりません。
ブローラインはどこにあるのか、選手がどこでタックするのか、ライバル艇にどんな戦術を
使う可能性があるのか、バウマンがアクションに入るタイミング、ジャイビングポイント、
ジェネカーダウンのタイミングなど艇種の特長を知り、そこに選手の技術レベルを加えてアク
ション予想します。
これができれば、写真撮影の半分は成功したと言ってもいいかも知れません。
カメラマンは「こんな場面」と頭の中で画を描いて撮影します。
偶然にシャッターを切ったら良い場面だったなんてことは、そんなにはありません。
マーク回航のたった一枚も、シャッターを切る遥か前から選手の動きを追い、このポイントでと
いうところでシャツターを押すという作業です。
ある意味で船上カメラマンは「選手と一緒にレースしている」と言えるのかも知れません。

「ヨットレースに限定した撮影方法」の書き込みを、津全日本の前に発見していたら、もう少しは
素敵な写真が撮影できたかも知れないと思っています。
カメラは奥が深くて、知れば知るほど大変です。
修行の日々が続きます。
バルクヘッドマガジン・ヨット部は
https://www.facebook.com/bulkheadclub
Posted on 2012/11/21 Wed. 21:02
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